婚約破棄の慰謝料請求
婚約とは、法律上では婚姻予約(契約)といい、結婚の約束を交わすことをいいます。
婚約を不当に破棄した場合は契約不履行或いは不法行為となり、婚約破棄の慰謝料請求、損害賠償請求が可能となります。
婚約破棄の慰謝料請求についての要件
婚約破棄の慰謝料を請求するには、下記要件を満たす事が必要です。
- 婚約が認められるか
- 結納の取り交わし
- 婚約指輪の贈与・交換
- 両親への挨拶・紹介をしている
- 第三者への公言をしている
- 仮祝言の挙行
- 披露宴の予約・案内
- 新婚旅行の予約
- 新居の契約・家財道具の購入
- 正当な理由なく破棄されたこと
- 婚約者が不貞行為を行った場合
- 婚約者から虐待や重大な侮辱を受けた場合
- 婚約者からたび重なる暴力を受けた場合
- 婚約者が回復が望みがたい強度の精神病にかかった場合
- 婚約者が交通事故などによって身体障害者になった場合
- 婚約者に他に交際相手がいた場合
- 社会的妥当性を逸脱した行為
- 婚約者が性的不能になった場合
- 婚約者に異常性癖があった場合
- 婚約者が失業や倒産により収入が極端に減り日常生活に支障が出ている場合
- 婚約者の配偶者に対する態度が一変して、結婚生活ができない場合
- 婚約者が悪質な刑事事件を起こした場合
- 婚約者が悪質な前科があることを隠していた
- 婚約者が多額の借金があることを隠していた
- 婚約者が生死不明である
- その他婚姻生活に不安をきたす行為
- 性格の不一致
- 容姿について
- 年の差
- 親が結婚を認めない
- 兄弟姉妹の反対
- 気が変わった
- 親に前科があった
婚約については民法上規定はありません。
婚約は当事者の意思によって成立し、婚約指輪の贈与、結納、プロポーズ等の要式行為は法律上における婚姻の要件とはなりません。
もっとも、婚約の立証を裁判上の証拠・対外的な証拠として用いる場合は、婚約指輪の贈与、結納、プロポーズ等の要式行為は必要といえます。
短期間の同棲、子供の妊娠では婚約の成立は困難であり、口約束でも婚約は成立し得ますが、相手が婚約を否認した場合、立証することは難しいです。
婚約の成立を証明する証拠として、代表的なものを以下記載します。
婚約破棄の慰謝料請求には、婚約破棄の原因が不当であることが必要です。
親の反対や好きな人が出来たなどはよく聞きますが、こういった理由では正当な理由を認めることはできません。
婚約破棄は、破棄される側に落ち度がなくとも結婚後の生活について不安要素が大きければ婚約破棄が認められやすい傾向にあります。
婚約破棄の原因について正当な理由があるといえる場合を以下記載します。
婚約破棄の原因について正当な理由があるといえない場合を以下記載します。
婚約破棄の慰謝料は、一般的に50万円から200万円と言われますが、家庭の事情によって様々で一義的には言えません。
婚約破棄の慰謝料は、婚約期間、当事者の落ち度などによっても大きく異なってきます。