名誉毀損の慰謝料請求のための内容証明郵便

名誉毀損への慰謝料請求

rieさん
ツイッターやSNSで私の事を中傷している人がいるの。

gyoseishoshiさん
どんな内容のことを書いているの?

rieさん
「男をたぶらかして遊んでいる最低な女だ」、とか、「男好きの極悪非道な女」とか・・・。執拗に事実ではないことを書き込んでいるの。

gyoseishoshiさん
ネットの名誉毀損の成立は、「サイトやブログ・掲示板で個人や法人の具体的な事実を書き込んで、不特定多数の人がネットで閲覧・アクセスできる状態にして、社会的評価を著しく低下させる行為をしたこと」を要件とするんだけど、話を聞いていると悪質だね。

rieさん
名誉毀損で事実のことを書き込んでいる場合でも、名誉毀損は成立するんだね。

gyoseishoshiさん
そうそう、その通り!名誉毀損行為が相手の社会的評価を低下させるものである限り、書き込んだ内容が事実か事実でないかということが問題になるわけではないんだ。

名誉毀損は、一般的には、人が有する名誉、人に対する信用・名声、品性等の社会的評価を違法に侵害する行為をいいます。
名誉毀損は、刑事上及び民事上の法的責任を生じることになります。
もっとも、報道などの場合は公益を図るものとして名誉毀損に当たらない事案もあります。

最近では、特にインターネットでの名誉毀損・侮辱行為が増えており、2ちゃんねるや、各種掲示板、学校裏サイトなどによっても特定のものを攻撃する陰湿な書き込みが増えています。

当事務所では書き込まれた内容と経緯、判例を鑑み、名誉毀損の範疇にあるかをまず検討していきます。
ネット上での名誉毀損の削除依頼と書き込まれた内容により今後の見込みについてのご相談も賜っています。
削除依頼の費用・発信者の特定などに費やした費用の請求も行ってまいります。

名誉毀損の刑事責任

名誉毀損の刑事責任

刑法230条1項の条文をみると、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処すると規定しています。
この条文は、不特定又は多数の者が認識でき得る状態において、口頭、文書、ウェブ上などにおいて、具体的な事実を示し、人の社会的評価である名誉を侵害した場合は、名誉毀損罪として処罰されることを規定しています。
名誉毀損罪は、抽象的危険犯であり、指摘・表現したことが真実或いは虚偽や噂であったとしても、事実を指摘したことになります。

rieさん
名誉毀損が成立しない場合ってあるの?

gyoseishoshiさん
ある。刑法の230条の2に規定されているんだけど、行った書き込みや発言に公共性があり、また書き込みの目的に公益性があり、真実性の立証があった場合は名誉毀損は成立しないんだ。

rieさん
えっ、私のような場合でも名誉毀損が成立しないことがあるの??

gyoseishoshiさん
いや、刑法の230条の2はリエちゃんのような場合を想定しているのではなくて、政治家や有名人等を主に想定しているから心配はいらないよ。

刑法230条の2第1項の条文をみると、名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しないと規定しています。

この条文は、違法性阻却の条文であり、人格権としての個人の名誉の保護と、憲法21条による表現の自由の調和を図った規定であります。

名誉毀損する行為であっても、表現の自由を尊重し、公共の利害に関する事実であって、それが公益を図る目的でしたものである場合で、かつ、真実である証明ができた場合には名誉毀損罪を問わないということを規定しています。

また、刑法230条の2第1項にいう事実が真実であることの証明がない場合でも、行為者がその事実を真実であると誤信し、誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉毀損の罪は成立しないものと判例上で示されています。

名誉毀損の民事責任

名誉毀損の民事責任

名誉毀損行為は、民法上では不法行為にあたります。
民法709条の条文をみると、故意又は過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと規定し、民法第710条の条文で、慰謝料請求権を認めています。

刑法230条の2のような規定が民法上はありませんが、判例上も、刑法230条の2の趣旨から民事上の不法行為たる名誉棄損については、その行為が公共の利害に関する事実に係りもっぱら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、右行為には違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当であり、もし、右事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときには、右行為には故意もしくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当であると判示されています。

名誉毀損行為は、民法第723条において他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するに適当な処分を命ずることができると規定し、この条文を根拠に謝罪広告を求めることが可能となります。