損害賠償請求をする
損害賠償っていう言葉はTVとかでも聞くのでなんとなく意味は分かるけど、損害賠償ってどういうこと?
損害賠償請求権は損害を受けた者に対して、一定の救済を与える権利を言うんだ。
刑事責任・行政責任によって被害者が受けた損害を回復されるわけではなく、民事責任によって被害者に生じた損害を金銭によって補填するということが損害賠償の本質と言えるんだ。
刑事責任・行政責任は加害者に対する制裁や教育といった点を主眼としていて、被害者に生じた損害の補填は民事によって補填する必要があるからね。
ふむふむ・・・。。下を見てみると、色々な損害賠償が発生する原因があるんだね。
そうそう。そして、損害賠償請求権が生じる原因として、大きく2つあってね、1つ目は契約の不履行に基づく損害賠償請求、2つ目は不法行為に基づく損害賠償請求なんだ。
下でそれぞれの請求権についてリサちゃんと一緒に考えていこう。
損害賠償請求のページでは、交通事故、喧嘩などの暴行・傷害、犬の咬傷、医療事故、ペットトラブル、著作権の侵害などの、不法行為や債務不履行に基づく損害賠償請求に関する情報を提供しています。
相談料は頂いていませんので、お悩みごとはお一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
債務不履行に基づく損害賠償請求
民法415条では、契約関係にある義務を負ったものがその義務を履行しなかった場合で相手に損害を与えてしまった場合はその損賠を賠償しなければならないと規定しているんだ。下に引用するから目を通してね。
民法第415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
典型的な例としては、建物の売買契約をして契約した期日までに建物の引渡しをしなかったことから買主が別の住居を賃貸して借りなければいけなかった、というような場合に無駄に出費したお金は損害賠償請求できることが挙げられるね。
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者はこれによって生ずるであろうと認められる損害の賠償を請求することができます。
債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様に損害賠償請求が可能です。
例えば、金銭消費貸借契約、売買契約、請負契約、委任契約等があげられます。
リサちゃん、そして債務不履行があっても、なんでもかんでも損害賠償請求ができるわけではないんだ。
そうなの!?どういう場合だったら損害賠償請求ができるの??
損害賠償請求ができるためには、要件が必要で、一つ目が、「帰責事由」なんだ。さっき言った不動産の引渡しでいうと、わざと引渡さなかったり、不注意で引渡さなかったり、といった故意、過失が求められるんだ。
この帰責事由を要件としないと例えば売主に責任がなく契約を全うできなかった場合に損害賠償責任を負うとなると酷なケースが出てくるからね。
そして、2つ目が「違法性」。違法性を要件としないと、代金の支払を受けていないのに物を引渡せ、ということが可能になってしまうんだ。
3つ目が「相当因果関係」。法律ではよく出てくる言葉なんだけど、債務不履行とそこからくる結果に相当因果関係があるのか、ということを要件としているんだよ。この要件で常識から外れた損害賠償請求の行使を防止しているといえるんだ。
契約不履行と結果発生に相当な因果関係があるかどうかっていうことね。
これで最後だからもう少し頑張ってね!最後に「責任能力」。すなわち、自らの行った行為について責任を負うことのできる能力をいうんだよ。この要件は見解が分かれることもあるんだけど、責任能力の無い人に損害賠償を認めると酷に過ぎるのでこれも損害賠償請求の要件に入っているんだ。
不法行為に基づく損害賠償請求
過失・故意に基づく違法行為により財産的損害を被った場合はこれによって生じた損害を与えた相手に対し損害賠償を請求できます。
例えば、傷害事件・交通事故等で負傷した被害者は治療費(入院費用・交通費・付き添い看護費・器具購入等)、休業損害(ケガ等による治療で休業した場合、その分の収入減の補償)、精神的な苦痛の慰謝料、賞与減額保障、後遺障害による慰謝料、自動車の修理費用等が請求できます。
不法行為に基づく損害賠償請求は民法709条が根拠条文なんだ。次に条文を引用したから見てみてね。
不法行為に基づく損害賠償請求の要件はさっき話した債務不履行の場合と大きく変わらないんだけど、1つ1つ説明していくね。
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
まず、1つ目は条文に書いてあるよう、「故意・過失」が必要となる。逆に言うと、この「故意・過失」がなければ損害賠償請求は認められない、ということなんだ。
例えば、わざと人にケガをさせた場合は「故意」があったと認められるし、一方で、うっかり人にケガをさせた場合は「過失」があったと認められる、そのように考えたらいいよ。
民法709条には、「権利を侵害」した場合と書かれてるね。。
そうそう。「権利を侵害」した場合と条文には書かれているね。この権利侵害を「違法性」と考えているんだ。保護に値する利益を違法に侵害すれば足りるから、というのが理由なんだ。
不法行為とそこからくる結果に相当因果関係があるのか、ということを要件として、加害者に損害の責任を負わせるのが妥当かどうかを判断しているといえるんだ。
自らの行った行為について責任を負うことのできる能力なんだよね。
よく勉強してるね。責任能力が無い人に損害賠償責任は負わせられない、ということだね。
でも、例えば小さい子供に代わって親が損害賠償の責任を負わないといけないって聞いたことがあるよ。
民法714条の規定に基づいて、親が監督者として責任を負わないといけない場合はある。
これは親が子供を十分に監督していなかったような場合があてはまるんだ。これはまた別の日にリサちゃんと一緒に考えていこうね。
リサちゃん、今日はお疲れさま。こちらこそ、話を聞いてくれてありがとう。